私の弱点は,主観的になれないことだ.客観的でありすぎることだ.子供の頃からクールなところがあり,自分の感情とやらがよくわからないで育ってきた.大学受験から大学院を出るまで,碌に勉強してこなかったが,好きな科学の書籍を読み漁るだけで卒業修了でき,就職し仕事に必要な専門知識も自然と身についた.苦労したり努力した覚えはない.一方で,自分の思いや気持ち,今自分が何を思っているかは,今もよくわからない.
サイコパスというわけではない.クリスチャンの信仰がベースにあるので,悪事を働くような悪知恵はない.時々言葉に棘はあるのかもしれないが,害のない人間だと思う.伝わる言葉,パワーワードを時折発する,有能な人物として認知されていると思う.しかし,何を考えているかわからないとよく言われる.だが自分でもどうしようもないのだ.なぜなら,私自身,自分が何を思っているか,何を考え,伝えたいか,わからないから.
私自身が考えていることを自分で認識する習慣はある.だからこそこの部録を書き続けることができた.しかし,そこで展開される考えは,自分や世界をスーパー客観視して捏ねくり回した論理であって,私自身の気持ちを織り交ぜることは滅多にない.私自身クールすぎるくらいのほうが心地よいと感じており,あえて自分の気持ちが湧くようなことは避けている面がある.しかし.それでは成長がない.喜びもない.心が乾いたままだ.
実は今晩,ついさっきまで,映画を見てきた.ラブストーリーだ.昔から,純愛ものの映画が見たかった.これからは毎月1本くらい封切られる純愛ものを,そのくらいのペースで見に行こうと思っている.涙脆い私は必然今日も泣きに泣き,いかに普段,自分の心が乾いており,物事を客観的にしか見てこなかったかがよくわかり,反省したのだ.人の思いや自分の気持ちをもっとわかるようになりたい.そこに私の成長の途がある.
