清掃業で身を立てたいという思いがある.今の仕事には満足したのでもうやめようかと思う時,真っ先に思い浮かぶのは清掃業である.というのは,義務教育時代に最も幸福な時間が掃除をして褒められた時だったからだ.高校では掃除を敢えてさぼって自分の心がどうなるか実験したことがあったが,案の定,荒む一方だった.私には掃除が常に必要である.先生から褒められる前に,自分から率先して掃除することが大事である.
掃除の哲学として,エントロピーを下げることが掃除や整理であり,それは生命が生きながらえるために食べることと同じであるから,掃除や整理は生命が生きるために最も必要なことのうちのひとつである.と20代の頃清掃業のアルバイトに応募した時,履歴書に書いた.変わったふうに見られ,院卒であることを理由に不採用になった.そう,もし私が高校中退して大学生になっていなかったら,本当に清掃業を職業にできたはずだ.
国立大学に受かってしまったものだから,清掃業への道は遠退き,大学院を出てしまったのだから,清掃業へますます参入しにくくなってしまった.これらの見方には差別が入っていると思う.別に国立大卒であっても清掃業に就いていいし,院を出ても清掃業を生業にしたっていい.職業選択の自由があるからだ.清掃業の人たちに学歴がないというのも偏見だと信じている.なので尚更,今から清掃業に転身したい思いが消えない.
清掃業は収入がそれこそかなり低く,始業時間は早朝や深夜で,生活が大きく変わらざるを得ない.今のウェブプログラマの職能を活かす場はないと見込んでいる.なので,清掃業への思いが消えないうちは,定年後の再雇用で真っ先に考えるべきが清掃業だと憧れつつ今の職場に居続けようと思うのだ.清掃業は多分いつでも雇ってくれる事業所はある.ニーズがあるから.今の職場でもう少し居座って,駄目そうならカードを切りたい.
