樺沢紫苑氏の本を6冊読んできて,消費を増やしてみた.仕事終わりに映画を見たり,エプソムソルトやキヌアを試したり,役に立ちそうなビジネス書を古本だが買い揃えた.いずれも私には初めての経験になった.確かに幸福に包まれた.幸福が増したような感覚が続いている.しかし,この幸福は資本主義社会での幸福にすぎない気がして,その正体は欲を満たしただけだという気がする.私は聖書を元に幸せに生きたいと考えている.
欲を消費で満たしたので,消費の欲が減らなくなってきた.毎月数万円余っていた生活が,使い切る生活に変わり,月によっては支出超過することも多かった.これを身の丈以上の生活というのだろう.もっと稼がなくてはならない人の生活だ.そうではなく,仕事を減らすくらい支出を抑え,消費を控えめにして生きたい.それが私の望む生き方だ.聖書にも,食べる物着る物があればそれで満足しなさいとある.その通りだと心底思う.
樺沢式の幸福とは,消費欲を満たす幸福,消費によって経験を増やす幸福だと思った.確かに,楽しみを見つけ幸福を増やす方法としては,あまりお金のかからない良心的なアドバイスが書かれていた.しかし,真に受けた私にとってはかなりの冒険で,無駄とは言わないが不本意な支出で,その分楽しみが得られたとは思うが,これを今後も続けたいとは思えなかった.それよりは,今まで育んできた私の趣味を楽しみたいと思った.
私は趣味が多い人だ.だから樺沢式を経由しなくても良い人だったとも言える.でも,樺沢本を読んでみて,人生の悩みがいくつか消えたことは確かで,生きる指針が強くなった.その点で,意義のある著作だったと思う.これから拡大してしまった支出をどうにか抑えて生きていかなくてはならない.買わずに満足することを覚えなくては.今のこの安い日本である.買おうと思えば良品を安く大量に買える.その罠が足元にある.
