ドメインを3つ新規に取得した.費用は0円.1年後から年額6千円追加でかかるくらい.そこでは自分の書き物を公開するサイトを作る.今の世,コンテンツを作る人が多すぎて,読み手や聞き手が少ない.読み聞きに費やす時間も極めて短い.自分が制作する情熱はあっても,人の作品を鑑賞する熱心さは珍しくなった.作るだけ作って,公開しているだけで,見る人はほとんどいない.そんな状況が多くの作者の現在であると思う.
それは制作者に力がないとか話題性がないとか,有名になるために名を売らなくてはならないとか,そういう話になりがちだが,私は自分の作品を作る時間が有意義だと感じればそれが制作する意義だと思う.この3世紀に西洋の作家が残した個人主義の格言たちが,今の時代のクリエイターを支えているとしても,その意義は制作している時間の気持ちの高まりを勧めるだけで,制作のみを職業にして生計を立てることは困難である.
多くの作り手がいて,作品を出しても稼げない.そんなのは普通である.見たい時に見られる,そのために作っておく,作品は作って放置する.そんな展示のような感覚で作品を公開することをどれだけニュートラルに見て,意義を見出せるか.それが制作を続けるために必要なことだと私は思う.私は有名になりたくない,有名にならないと決めていて,名を売るようなことをしない,という価値観を大事にしようと常々考えている.
私がいくら作っても,どんなにすごいものを作っても,大量に作っても,私はそれをお金にしないし稼ぎにしない.作品が私の中での成長なり生きる支えになる限りで制作に意味がある.自己満足という概念に近い.それは幸せなことだ.売るとなれば媚びることになる.でも,売らないと決めていれば自由に考えられる.私は自由をお金に変換したくない.お金を払って自由を買うのだから,払わずに自由でいられるなら稼がない.
