3月末で20年間の闘病が終わった.薬を飲まなくて良くなった.今は何も医療的なものに頼らずに暮らせていて,それだけでも喜びが湧いて出てくる.それまでの硬く冷たい心は服薬の終了後徐々に溶けていって,今は自然で人間的な気持ちで過ごせるようになってきた.当然,趣味も変わってしまい,自分でも驚いているほど.しばらくこの部録に記事を書かなかった間に変化した私の今好きなもの.
1.外食
単純に,味がわかるようになった.薬を飲んでいた間は,振り返ると何の味も感じなかったし,おいしいと感動もしなかった.単に噛み砕くことが食事であった.薬をやめてから,空腹や満腹がわかるようになり,食べようと思うから食べるのだという,当たり前のようなことがようやくわかるようになった.それで,外食を頻繁にすることにした.小麦が不耐でダメなので,アジア系の料理が多い.おいしいものばかりで,おなかいっぱいになってしまうことが多い.実は,食べることはまだ楽しいものではない.でも,食べるのが好きになりたいなと思うし,おいしさを追求する趣味も悪いものではないと思えるようになってみたい.
2.美白
これも薬をやめたのがきっかけ.多分代謝が正常化したのか,薬をやめてしばらくして,肌質が変わった.乾燥気味だったのがそうでもなくなり,産毛が生える速さが増し,シミが少し薄くなった気がした.これはと思い,今までやってみようと思っていたスキンケアを始めた.得意の生化学の知識をもってYouTubeで情報を集め,プチプラのドラコスで12種類のアイテムを買い揃え,3週間使い続けた.その結果,長くとどまっていたシミからメラニンがきれいに消えたほか,肌につやが出てきて,明るくなったように感じた.今は朝晩,使うのは3種類くらいにして,外出前の日焼け止めは忘れず続けようと思っている.
3.地域の新しい場所への散歩
散歩は今までもしてきたつもりだったが,決まった経路しか通ってこなかったので,地域を広く知ってはいない.行動時間は長いが,行動範囲は狭かった.タウンニュースをフォローして話題の場所を検索して地図でみてみると,この場所は自分の地域にあるのか,歩いて行ける距離にあったのか,という驚きが余りに多かった.その目で遠くを眺めて歩いてみると,確かに行ったこともない風景がほとんどであることに気づいた.これからはお気に入りの道だけでなく,いろいろな場所を見てみたい.そういう歩き方もあるという考えに切り替わった.
4.お店の見物
地元の商店街を見物して歩いていると,なんだか感動して涙が出てしまう.店々が私のところへ食べに来てと工夫を凝らして看板や外装を作っていること自体や,街の人々に食事を提供していることが,素晴らしいことのように映る.なぜ今の私にはそう映るのだろう.また,スーパーで見切り品コーナーで意外と食べられるものがかなり安かったりして買ってみている.小さなスーパーでも,昔からあったなという商品がまだあるんだと見つけると,多くの人々に愛されて今も食されていることが嬉しくなる.
5.妻との会話
薬をやめて,妻はある夜一人泣いているように見えた.嬉しかったんだと思う.その翌朝から,妻と内容のある話が長く続くようになった.私自身も話ができるようになったし,妻も会話をしてくれるようになった.それは以来毎日続いていて,私は嬉しくなって妻にいろいろ買うことにした.妻もお礼にお菓子をくれた.今度ゴールデンウィークに伊豆へ宿泊することにした.妻が温泉が好きで伊豆がいいと言ってくれたので,私は喜んで予約した.いわゆる高級旅館だが,妻への感謝を思うと全然高くない.
