澄んだ人が好きだ.決して美人でなくていい.白く化粧し,シミは隠すにしても,しわはあったほうがいいし,それらを消すような人は何かを隠している気がして闇を感じる.髪は黒や茶色など生まれ持った色を大事にする人がいい.環境に溶け込もうと少し明るくするのはいいと思うが,わざわざ脱色して金や白にする人で興味を惹く人はいない.流行に乗る人はかわいいと思うが好きにはなれない.けれども,流行の要素をさりげなく取り入れる人は素敵だし賢いと思う.また,完璧に幸せそうな人や生まれ育ちに恵まれてきた人は,私が関わることが申し訳なく感じられるので私は自然と離れる.
素直であるほど好きだ.そして,知性のある人が好きだ.知性が私よりしっかりはっきりしていて,ものを正しく弁え,好きなことについてはよく知っていて,その知性の高さにも関わらず芯が素直である人は大好きだ.これが私にはいわゆるギャップに感じられる.逆に,知性を使って稼ごうとしたり誇ったり,欲を満たすことに知性を利用する人は知性の意義を活かしていない気がして嫌になる.偉くなろうとする人やもう偉いと思い込んでいる人を見ると悲しくなる.
中肉中背の人がいい.細い人はファンになるかもしれないが好きにはならない.太っている人は将来に困難が控えているようで不憫になる.痩せすぎている人は何かこだわりや強い観念を持たされているようで敬遠する.健康でいてくれることに越したことはないが,生まれつきの理由による大病の持ち主はそれだけで私は友達になりたい.声をかけたいし話したい.一方,タバコや贅沢な食生活や不摂生など生活習慣によって健康を損なった人には顔を向けようと思わない.私がその何かの習慣に染まることを恐れるためである.
主張のある人は避ける.従わせようとしたいと思われるので従っておくが,本心から従うことはしない.主張のない人も嫌だ.すなわち,主張の何たるかをよく弁えている人でなくては付き合えない.人と人からなる社会において主張がどのような場合においてなされるべきかよく理解している人でなくてはならない.絶望している人や自分しか見えていない人からは距離を取る.そういう人は解決が必要であり,自分で気づいて考え直す必要があるが,私では力になれそうもないから.ひたすら自己犠牲で生きる人よりは,たまにわがままを願い出る人の方が安心できる.私も生きていていいんだと思えるから.気を配れる人,気持ちの良い人,優しく謙虚な人は,それだけで尊敬する.それらの性質は容易には身につかないものであり,私など一生かけてもそのようになれそうもないので,現にそうである人はまたお会いしたい人であり続ける.
これらの程度を超えてくる人は,すごい人だと思う.すごい生き方考え方で人生を歩んでいるので,薫陶を受けたいと私から教えを乞いに出るだろう.最後に,もしこれらの軸について,満たすようなものが自分には何もないと思う人は,その思いが正当な謙虚さからくる場合を除き,私と縁ができることはないだろう.私も色々な人と出会いたくても,そう多くの人と知り合うことができないからである.また,以上のことを私は,満たしていなくてはならない条件のようにこだわって捉えないが,このような私の感覚を知って嫌悪を覚え身勝手でつまらないと感じ,反感を買う人も少なくないだろう.そのような人は私と関わりを持たないか薄くした方がよく,出会っても知り合うことはないだろう.
