先日数学を使って,商品に手間暇をかけ,品質を管理し,価値を上げていける商品は,雇用を生み続ける,という事実を簡単な数学で証明した.この商品の価値を付加し給えと上長から命令が下り,仕事が生まれてハイホーと働き続けた結果,価値が上がったこの商品を買ってくださいというわけだ.財が雇用を生むので,財の価値を上げることで,雇用を生めるのだ.したがって,財の価値を上げるいかなる考案も,雇用を生むのだ.
日本では雇用が欠乏した時代は終わったとみられる.今後もずっと雇用が満たされない企業が多くなる.財の価値を上げる方法はなにも,機能を付加するばかりでない.むしろ,機能を削り,形態のもつ情報量を減らし,単純な広告を張るほうが,買う側はストレスを感じずに接近できる.頭を整理して創造性を育んでくれる.これはウェブサイトの設計にもいえることで,「機能を削る」「情報量の少ない形態」「単純な広告」は「エントロピーを下げてくれるかわいさと癒やしと編纂性」という自分の設計指針を構成する3箇条だ.
雇用を生むためにもうひとつ大事なことは,自分の働き以上にお金を使ってはならないという玉条だ.買ったものを長く使うと,大量生産品は市場から減退し,価値の良いものや長く使えるものが市場に残る.消費者の視点が肥えれば,生産者としての視点も高くなり,そうすることで考案が生まれることこそ創造的という意味なのだ.市場から安くて価値の小さいものが減ると,その資源でより価値の高いものが生産される可能性が高まるので,財の原料からしても,価値が高い財に利用されやすくなり,資源価値の総量が大きくなる.
つまりは,資源をどのような価値を持つ財へ変化させられるか.これこそ創造性の定義であるだろう.今までの財を刷新して新しさの価値を与えたり,少ない資源で多くの財を生産できる省資源性を持たせたり,価値が多様なゆえどのような財を出回すかだが,利潤が生まれ雇用を生むような財の発明が,ずっと起き続けることが,社会の,また,労働者の明日の希望を構成している.
