読書は贅沢だ.時間を買う目的が読書だとすれば,読書は最も贅沢な時間だ.買った時間を勉強に充てれば,時間の金額は投資になる.プログラミングの,ウェブデザイン技能士の,英文の文体や修辞法の.これらに費やすほど,仕事に直接役立つから,日中生活の殆どを占める職場でよりよく働ける.収入も増えるに値する人物になるためには,勉強は必須だ.しかし,読書に費やす時間はいつも,面白く,いつまでも続けたく,贅沢な余韻を玩わえる.
仕事に直接の効果がある勉強は,時に面白みに欠け,続かない.ビジネス書を内容通りに実践しようとか,英単語を覚えるとか,お金になる資格の取得を目指すとか,実践的な内容は確かに幾らかは為になるし,仕事人として他人の仕事術から学ぶのは必要なことでもある.でも,それらを本当に理解し吸収し応用しようとするならば,教養の基礎がいると思う.その幅広い基礎が,贅沢な読書の時間で養えるのだと私は思う.
基礎の教養とはホームベースのように自分の関心に従って広げていくもので,強制されないし忠言もされない.自分から得に行くしかなく,一度得たらいつまでも追求して良い.自分の見方はこの方法でしか獲得できず,一度獲得できてしまえば,多分どんなところでも立ち位置を発揮できる.この教養は栄養を与えれば肥える.少量の養分でも,基礎があれば百倍にも千倍にも,成長に寄与する.読書が養分になる.
自分の関心に従うところが重要である.上に立つ人は教養を積まねばならないと云われる所以は,実に楽しそうな姿をしていること,楽しいと思っていることがあること,苦しみだけではない人生を送れていること,それらのことに感謝できていることが,下の者を幾分でも幸せにするからであろう.教養を積むことは楽しいことである.最も贅沢な投資である読書によって,教養を耕すとき,人生の喜びが増し輝くのだ.

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