英文学の本に学ぶ週末.ジョージ・オーウェルに苦戦して,サマセット・モームの項に進めない.英文全体の意味を把るだけでも大変だと思い知った.その体でアランの幸福論を久しぶりに繙いた.一部難解であることは変わらないが,差し迫る表現と未知の学識とが混淆した調子は,流石の文学の傑作,全体的に私には手が届かない.こんなに難しい内容を嘗て私は好んで読みこなしていたのだ,信じられないことに.本棚の隣にあるバートランド・ラッセルの論理のほうが幾分易しい.
仕事でウェブサイトのリニューアルが火曜に迫る.月曜は修正が飛び入りで入る.本当に多くの事項を指摘されるかもしれず,全部直すことは時間的に叶わないとまで.早朝に出勤し閉館時間まで残業する生活は月曜が最後,あと一日だ.覚悟して出勤すべきだが,問題はほかにある.私は話しが病的に苦手だが,上司の指示や注文や指摘をすべて正しく聞き取り覚えておくことが,できない.聞いた傍から忘れるのでペンでメモ書きするのだが,それでもすべてを把握することが,できない.
できないことはできないから障がいなのであると開き直っていた頃もあったが,それでは向上がなく仕事にならないので向き合うしかない.IQ 160の記号的言語的能力とIQ 60の会話能力との,この落差のある凹凸な特性に,かなりの労力を割いて挽回しようものの,足が引っ張られては能力が発揮できない思いとが交錯し,障がい特性がそうさせていると納得して初めてストレスは消える.もし人並みに会話ができれば,得意な技能が活かせるはずだが,IQ 60では諦めるしかないのだろう.
合唱団ではマーラーの復活とベートーベンの第九の練習が始まる.仕上げまで一か月半もない.毎回の練習を必死に復習してものにしたい.気づいたが,声楽にはなるほど楽譜がある.ウェブ制作には設計図しかない.注文が多く入るのは同じであるが,合唱はひとりではない.そんなことでウェブ制作の特徴を考えてみたものの,両者の違いを強調する必要も消え,月曜を待つのみ.修正できない箇所は公開されてしまう.どんな感想を持たれるか,研究センターの顔であるからますます怖い.がくがくする.

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