仕事は,やりすぎてはいけない.私はそう考えている.儲けよう,偉くなろう,そんな考えで仕事の量を増やす人がいたら軽蔑するだろう.仕事は社会を良くすることだから,急にたくさん変化されると,経済が活気づいてもいずれ揺れ戻しが来る.バブル経済とゼロ年代が例である.仕事の量は,自分のアイデンティティが守られる程度で良い.これくらいで自分の社会的居場所を確保できるなら,そのくらいの仕事だけさせてもらっていればいいのだと思う.
たくさんの仕事を掲げ毎日を忙殺されるなんて愚かだろう.特に成熟社会では,仕事を拡大しても余計な製品やサービスが余るのだから,急成長しようとしない方がいいのだ.社会人は目がなく飛びつく人ばかりでない.もっと慎重で熟考し配慮のある人は街には多く住んでいる.焦っても結果は出ないし,思うようにいかないなら思いの方が間違っているし,たくさん抱えてゆとりがないなら全部抱えようとしていることが違っている.
私は職場で,ウェブサイトを更新したり,頂いたデザイン計画書のとおりに実装したり,ファイルの管理をしたりする仕事をしている.影響範囲は職場全体だが,思いのほか小さい.自分は大きな影響を持つ仕事をしたいと若いころは考えていた.しかし今はいくつかのウェブサイトを管理するに留まり,平均的給与を貰っている.自分の自尊心や同一性を満足させるには十分である.素晴らしいではないか.大きなごみを出すのでもないし,危害を与えるのでもない.
この程度の仕事で済むのなら職務内容をもっと大きくしたい,と思うことこそ直したい.もっと年長の優れた人が昇進していく.私の果たすべき職責はウェブプログラマであるから,その方面の職能を蓄えていれば,長く勤続できるのではないか.ひとりで全部やろうとする考えは間違いだし,そうしない方がうまくいく.専門を磨けば細くなるけど尖る.尖れば必要とする人が増える.それで仕事が続けられる.今は仕事を楽しめている.簡単で軽い日も多く,丁度良いのだろう.これくらいで満足する方が賢明だと思う.

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