Happy Line

　幸福な一週間だった．マタイ受難曲の練習が進んだのだ．11番の後半を今度教会で発表するが，その音取りが少しだができた．さらに，23番のドイツ語歌詞を日本語で歌えるように訳したら，師匠が気に入ってくれ，その発表会で配布するとの報を受けた．これはうれしい．趣味でやってきたことで誰かを嬉しくさせるとは，なんと幸せなことだろう．実は仕事も趣味の延長だったのだが，喜んでくれる人が現れた．
　わざわざ職場まで来訪してくださった役職者の方は，私をぴったりの人材と形容し，大いにほめてくださった．上層部の会議でも私たちのウェブ制作の仕事が俎上に乗り，部内表彰の候補になっているらしい．その制作ディレクターを務めた上司からも，これからも頼りにしますと声掛けを頂いた．好きなことを仕事にし評価されているとは，なんと幸せなことだろう．神さま，いつもどうもありがとうございます．
　APの勉強は中々進まない．時間と脳力が割けない．仕事も私生活も充実しているうえにAPの勉強は中々難しい．満足している時間が長いので，殊更更なる上昇志向を描かなくても幸せだ．知人の数は少ないけれど，屡々連絡を取る中で満足を齎している．現状に満足してしまうことが多いので，もっと頑張らないとと思う気持ちも分かるけど，逆の考えが普通らしい．満足できないからもっともっと，と．限がない思考．
　どこかで線を引くから幸せになれる．努力に限度を設定するから幸せになれる．そう昔から云われてきた．幸せになることと，更に努力し功績を挙げることの双方を均衡を保つ線を行きたい．難しいができなくはないと信じている．ある程度満足して何もしない時間の幸福を知ったので，何かのために無理してより一層を求めず，さぼって怠けているように見えても気にせず休憩する時間も積極的に作っていいはずである．