わが家は2人暮らしで,財布を分けている.私の方が低収入で,生涯を自分の財布から出すことと決めている.私は低収入に甘んじても良いと考える性だが,妻はそうでもなく,私より経済感覚が優れている.財布を分けるのは妻のアイデア.収入の低い私が妻に養われたくなかったこともあり,私はすぐに賛成したが,最近さらに気持ちの良い考えだったと思うのだ.
COVID-19によって株の含み損が100万円を超えてきた.普通の家庭,つまり財布を共有している家庭なら,投資を貶され責任を問われ,軽く喧嘩になっているはずだ.多くの家庭がこの修羅場に遭っているだろう.さぞ辛かろうと想像する.しかし,私の妻は「いい気味だ」「がんばれ」と少しも怒らない.別財産だから客観的にコメントできるのだ.
これには私は思わず撫で下ろした.含み損のことを告白して良かった,この妻で心から良かった,そう思った.助かった.配当を減額した銘柄もある中,これから損切りもせず長期に気長に待とうとしている方針を糾弾されないだけで,救われた思いさえした.もちろん,その後妻の欲する食べ物を夜な夜な買いに行った.いつものように.
生活水準を上げてしまっている感のある昨今の私の生活である.1日の食費が1,500円,月の出費が10万円,これに献金や,贈り物などの臨時支出を加えた額での暮らし.毎月10万円投資に回している.それでも本や服や音楽に掛け,他は支出しない生活にはとても満足している.これ以上の水準は望まないのだ.世間的にこの支出が多い方かは分からない.でもこれを維持し,この調子で適度に経済貢献すれば,誰も文句を云うまい.

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