COVID-19の緊急性が和らぎつつある.世界の株式市場は大幅に回復し,入荷のない商品こそ増えているが,このモノが容易に買える街では楽観的だ.雨上がりの小寒い夜道を子供たちが駆けて行った.スーパーに客が納豆を買いに詰め掛け,コンビニのおいしい食品は朝から飛ぶように売れる.トイレットペーパー,ドライヤー,体温計は届くまで1ヶ月は掛かるらしい.
私はこんな様子がとても好きだ.普段は赤の他人と思って道をすれ違うような人たちが,この緊急事態に群がり,団結し,正論通りに行動する.どのメディアや思想に煽られたか知らない.自分の高尚な思考の結果かもしれない.緊急時に備えて準備してきた人たちが,備えもない人々に蓄えを分け与える.これに感謝する側も与える側も,共に幸福を享受できる.
緊急時に人は団結する.このことは人類の長い歴史をみてもしばしば起きている.奈良時代に放射線が降り注いだ時,シルクロードで唐とアラビアが資本主義で結ばれ,数字や科学や商業が本格化した.10年近く前の大震災の時も,市場がリーマンショックを忘れ,株価ばかりか景気が大きく回復した.今回の感染症でも,これから団結がもたらす福音が地球上を響くかもしれない.
繰り返すが,私は緊急事態が好きだ.非常は世の無常を洗い流す.もし神さまがこうした試練=創発を与える目的があるならば,私たちの団結が私たちに未来を見せてくれるからではないか.もっとこうできる,こう変われる.災害が見せる希望,非常時に伴う昂奮,そうした陽なる神経反応は,膠着した世界を皆新しくしてくれる.これからも災害は起こる.神さまは忘れずにくださる.

コメントを残す