生活水準は一度上げたら下げられないという.衣服や食事や住居など,お金を掛けずに必要な物が揃うこともあれば,上限なく高価な品を揃えることもできる.世はそういう商品ジャンルでできている.生活水準とは,そうしたジャンル内の品物のうちどのくらい高価なもので暮らすかという水準である.高価な服を買うようになったら安物は買えなくなる.旨いものばかり食べるようでは舌が奢る.
生活水準は,収入が途絶えたときに下げる.下がるのではなく下げるのだ.自然に下がるものではないから,皆困るのだ.服は長く大切に使うから,少し質の良いものを買おうとか,新鮮でおいしいものを食べることは健康的だから,少し高くてもいいかとか,真実的理由を付けてなかなか下げることができない.順境のとき買い揃えた品は資産であり,捨てずに長く使うことで急場は凌げることも考えなくてはならぬ.
私は服は長持ちしそうなもの,正しくは長く気に入るものを選ぶ.1年に3着程度,5着買えれば多いほうだ.食事は粗食を心掛けている.世にはおいしいものなどたくさんある.それらを全部味わってみたいという好奇心はない.私は毎日納豆ご飯や卵かけご飯でも構わないというくらい粗食家であり,栄養面を考えてカロリーメイトを食べるような人間である.毎日が定食でも飽きないのだ.
生活水準が下げられない理由は人それぞれ.今月たくさん物を買った私は,それだけで生活水準が大幅に上がってしまった.しかし,買ったものを振り返ると,スキャナやカメラや机やプログラミング言語の本やビズポロである.必要な物ばかり.最高の豪奢贅沢を望まなければ,今の水準で行けそうだし,今の暮らしを普通ではなくちょっといい暮らしだと思うくらいに止めておければ大丈夫だと思う.

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