この夏休み,涼しい午前に技術書を読んで過ごしている.ウェブの技術書だ.知らないことや考えたこともないことが,たくさんあるとわかる.あまりにたくさんあるので,自分がウェブを作るプロであることが信じられなくなり,午後がつらくなる.自分が知っていることは,職場の方々によれば多いということだし,もう2年は今の職場でウェブプログラマとして問題なく働けているので,ウェブプログラマを名乗ることは認められている.でも,世界中の同時代の開発者に比べると,まだまだ全然序の口上がり.そういうことだろうと思う.
お金を稼いでいるので,世界水準の技術で以て働きたい,と考えることは間違っていないと思う.技術を増進するために,新しい技術を積極的に取り入れることも,そのプロジェクトの性質に適っていれば,やっていいはずだ.そうして,ユーザーに最新の使い良いプロダクトを提供するために,広く理解を深めるのだ,勉強を自分に禁じたり,もう充分知っているとか思ったり,仕事になるから勉強しなくて大丈夫との考えでは,お客様ユーザーを侮ることになる.チームの同僚にも失礼になる.
必要は発明の母であるように,勉強する動機は,自己啓発であるより現場の要求であることがほとんどだ.休日は休むものだ,とできるだけ何もしないよう過ごすようになってから,ますますそう感じる.休日くらいゆっくり休めないと,いい仕事はできない.仕事の勉強は仕事中にしてよい.そう認識を改めた.休みの日にまとめて読もうとか,休みの日くらいしかまとまった時間が割けないとか,思い込まないようにし,やろうと思ったとき,必要だと思ったとき,やってしまおうという気概に変えた.
従って夏休みは基本的に何もしない.技術書は読むが,同僚が仕事していることを忘れないようにとの思いがそうさせる.午後は休む.こうして振り返る.少し離れると仕事にアクセントが付いて,学びが染み込む.私はプロであるが,成熟には程遠く,数年前の技術でさえ身に付いていないこともある.最新の技術動向を追いかけはするものの,生まれつつある技術つまり最新動向のもととなる技術を学ぶ時間をとれていなかった.この時代は一度勉強したら終わりでは済まない.この職業というべきか,いや,この「時代」だ.レガシーに取り残される人が急増する向きもあるけど,流行する技術は常に以前よりもよりよくなっている.取り入れていったって間違いない.知っている人が少ないのは今だけだ.

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