私は細部をこだわるほうだ.学生の時は,些細なデザインの好悪で,その本の購入やウェブサイトの利用を決めていた,中身ではなく.細かい箇所まで目に付くので開発者に嫌われた経験から,今では大方目を瞑るようになり,仕事にも影響している.細部までこだわる感覚は残っていても,仕事でそれを実践することはなくなった.でもそれは今だけで,また細部まで作り込むようなプログラマに戻るかもしれない.
時代の技術に追いつこうとしたり,最新のデザイントレンドを取り入れようとすることが必要なこの職業.新しいUIなんてウェブの世界にはもうそんなになくて主要なものから定番まで出揃った状態.それらを組み合わせるだけでウェブサービスが作れるといわれる.けれども,本当に細かいところはプログラマに頼むしかない時代でもある.個性的特徴を備えたデザインにしたい時は,プログラマの出番だ.
私はこの部録をシンプルなデザインに仕上げ,これを維持している.開設当初から変えたところといえばフォントくらい.私の作ったサイトのなかでは最もシンプルに抑えている.無駄なものを削ることも大切な考え方である.しかし,デザインの解像度を上げることも重要だと思うようになった.ユーザビリティは細部に宿る.フォームフェチ,ボタンフェチ,ファーストビューコレクターも世界には居るものだ.
私はデザインは大雑把に考えて作ってきたけど,細部まで詰めて決めることはあまりしてこなかったことを反省している.もともと好きだった細部の意匠.それをたくさん考えている時間は幸福である.こんなサイトも存在できるんだといわれるくらい,サイトデザインの可能性を探りたい.エンジニアリングよりアートに近くなってしまったら,あくまでエンジニアリングの精神を貫きたい.期待はユーザーの驚きにある.

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