ウェブプログラマとして,言語の次に身に付けたかった技術が,UI/UXだった.閲覧利用者が思わず押してみたくなるボタンを作る方法,そのくらいの認識で買った本を5冊くらいぱらぱらと繰ったものの,理解が進まず困っていた.UI/UXには正解がないので,どうやってより良いデザインに改善していくか,その手法が分からず,設計者の主観と配慮なのかと思うと先へ進めないでいた.
そこで仕方なく実装の仕事を引き受けていたら,ある認識に達した.UI/UXにはどのサイトでも通用するような正解はないが,部品はすでに集積している.既成の部品を適切に配置することがUI/UXの仕事なのではないか,と.UI/UXの仕事は,新しいUI/UXを考案するのではなく,そのサイトに相応しいUI/UXを適用することではないか.そこで,既成の部品をウェブページに並べ,配置すると,使いやすそうなページができた.
UI/UXは定番化している.UI/UXに革命が起こるとすれば,新しさではなく使いやすさが軸となるはずである.いろいろな部品を知り,それらを組み合わせる技能があれば,UI/UX問題はほとんど解決できる.そのとき,UI/UXデザイナーという職能が失われ,誰でも簡単に配置するくらいに普及し,その結果AIの仕事となり人間の手から離れていく未来が想像できた.UI/UXを専門にできないが,それでよいのだと.
UI/UXは長く研究されている活発な分野で,今でも新たな視点で研究されている.研究成果として書籍が多く売られている.BootstrapやOnsenUIなど,UI/UX普及の立役者も今だに多く採用され,開発者を楽にさせている.私は思う,今くらいの技量があれば,UI/UXを専門的に勉強することはない,それで充分な分野だ.それよりもっと専門家が少ない,けれど需要の多いテクノロジを学ぼう.こうして私はUI/UXから足を洗った.

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