道が逸れていないかと不安になることがある.自分のやりたいこと,人生で成し遂げたいことは,実はもうある程度達成してしまったので,それ以降の人生をどのように送るかという視点の上に今がある.いくつもの課題を達成したので,それと同じくらい今後やりたいことを研究するつもりでいるが,その今後やりたいことがひとつに定まらない.それを問題視する時がしばしばあり,これでいいのかと悩むこともある.
ウェブに関わることを職にし,仕事でもひとりの時間でもウェブを研究している身だ.しかしそのウェブと一口に言ってもその技術は広大で,ひとりですべてを覆うことは不可能だと最近悟り,その分野に通暁するにはいくつかに絞らないと無理だと考えるようになった.私の専門はウェブですと云えなくなり,自分の専門とすべきは何で,いくつまで専門を持つべきなのかと考える始末である.
今は一応,ウェブプログラミング,情報建築,インクルーシブデザインが専門ですと言い張りたいと思っており,実装から設計まで,視点を持つことが仕事だと思っている.この3分野だけでも覆える知識は広大で,フロントエンドとバックエンドのフルスタックネス,検索やメタデータを活用した図書館情報学的な設計,コンテンツファーストなレスポンシブとアクセシビリティ.これだけ視点を持てれば生涯専門でやっていけそう.
道を逸れていないかと不安になるのは,まだこれらの実務経験が何十年もないから.経験が浅いうちは誰しも不安なのでがつがつ吸収するものなのかもしれない.専門領域とはいえ,専門性は文献だけでなくむしろ主に実務経験から学ぶのであろう.いろいろなステークホルダーの話を聞ける今の環境を,専門性を立ち上げるために最大限活用していいのである.将来教職に就くことだってあるかもしれず,その時は道を逸れたとは云えなくなる.

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