きょう街で買い物をしていたとき感じたが,私ほど着飾っている男性を見かけなかったのだ.着飾っていると言っても,小豆色の薄手のジャケットに木製ボタンのバンドカラーシャツを着て,テーパードパンツの暗緑が映えるように黒いスニーカーで歩いた.夏が終わったばかりだったので,長袖を着る人自体少なかったし,秋の色合いを取り入れていた人も少なかった.しかし思ってしまった.私お金持ちなのかと.
ネイビーのキャンバス地の鞄も,小豆色のジャケットも,テーパードパンツも,一応ブランドものだ.ノンブランドの服を買うことは今や難しいと思えればよいが,バンドカラーシャツはユニクロなので,ユニクロをブランドとするかという議論もあるが,全体で3万円弱のコーディネートであった.少し派手だったか,色の濃いアイテムばかりでお洒落ではなく,変に目立っていたかもしれず,原因はそこかもしれない.
思い巡らせたことは,きょうの私はブランドもので固めた風采をしているが,世の通行人は私をどう見るか.金持ちの成功者とか,センスが少し変わった若者か,秋が来たんだなあと感じてくれるとか,こんな服装の人がいる街なんだなあとか,いろいろかと思う.それぞれ感想を述べ合えるSNSがあったら使ってみたいけど.こうして金のかかったアイテムを多く持っていると,私程度の年収では買いすぎではと思ったのだ.
この疑問は帰宅後に解消した.私は世のお小遣いくらいを自由額としている.世の会社員と変わらない.だが,買うものが違う.私は本と服くらいなのだ.なぜそれで済んでいるかといえば,数学,声楽,作曲,語学,プログラミングなど,私の趣味はお金がかかりにくいことばかりなのである.こうしたことに長く時間を費やし楽しんでいるので,他のものを買う必要が少ない.こうして私は自分をゆるせたのである.

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