お金が貯まる.買いたいものがないからだ.正しくは欲しいものがない.なくなってきた.先月は固定費の生活費が8万円.それ以外の支出は,本と献金と投資信託だ.それ以外は貯蓄となった.どうやら今月もそうなる見通し.結婚してこの街に暮らすようになってから,このくらいの支出で生活してきたので慣れており,文化的不足もない.必要はものは買うべきだが,欲しいものを買い続けると不幸になる気さえする.
今年は欲しいものをいくつも買った.本当に欲していたかは買った後に露わになった.欲しいもののほとんどは,本当は要らないものだった.買って損はしないけど,買ってむしろ管理する手間がかかり,買う前の暮らしを回想するほどだった.無駄ではない,使えるものが多い.いざというとき,くらいなものもある.趣味が広がると思って買ったものは,まだ趣味を広げてはくれない.使うことが少ないからだ.
単純なアイスバーや,透き通ってきれいな飴や,半額の漬物,そういったどこにでもあってきたような小さな満足で充分なのである.1日を幸せにするには40円あれば良い.昔そう思ったことがあったが,駄菓子で40円といったら結構なものが買える.ごはんに卵に生醤油で旨いように,小さな幸福を味わいきるほうが,高価なものを買い揃えた空間を用意するより,幸せに近い.そんな肌感覚がある.
昔一世を風靡した芸人が,今山でキャンプする生活をしているそうで,YouTuberを仕事としている.彼は云う.ジャガーを買っても,自分には合わなかったと.多分,世を渡るには身の丈に合った暮らしをするのが一番安定し,地に足がつき,道を外れにくくなる.世の価値によって測らないことが大切だ.世の平均的給与を頂いている私でさえ,安く手に入るものを使い幸せを得るまっとうさを覚えている.

コメントを残す