平日は上司からの注意に平謝りし,休日は自分の好きなことに打ち込む.仕事中はただ仕事をこなし,仕事が明けると読書と交友に時間を使う.こんな日々を確立してから,もう1年余り変わっていない.このペースだと辛いことも溜め込まないし,疲れはきちんと取り除けるので,難なく生活が成り立つようになった.しかし最近上司とのやりとりで悩みが生じ,無駄なことまでできなくなった.無駄が好きだった無邪気なころを思う.机の脇の本箱に入れている座右の書を紹介する,今月の好きなもの.
1.10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」
便利な本だと思う.こう言われたら,その人を嫌いになりそうな,自分に疑問を抱えそうな,解決できない悩みが増しそうな,そういう人間関係の綾を絡ませうる難しい言葉.人間関係の悩みとは言葉の問題であると断言した偉人もあるが,この本のように私を閉じ込め動けなくする言葉をパターン分析することで助けられることもある.過去の私が言ってしまった言葉も多く,友情の縁が切れたのはその所為だったかとも思った.
2.会社では教えてもらえない 上に行く人の報連相のキホン
断るが,私は上に行きたくない人だ.報連相の基本がなっていないから買ってしまった本.読んでもひとつもできないし,なぜそうしなければならないのか理解もできない.報連相の意義も何も分かっていない.誰かにガツンとやられるしかないのか,近いうち痛い目に遭うような気がする.そのときこの本が手元にあれば,理解が進むのかもしれないと思う.本当は技術書よりこういう本から学べば早いが,正直私はこの本が嫌いである.
3.「すぐやる人」と「やれない人」の習慣
妻が読み終えたというので譲ってもらった本.偏差値が低い高校時代から,海外の有名大学に進んだという著者.仕事が早い人とそうでもない人の心理を観察し,気づいたことを沢山指摘する体裁の本だ.すぐにやるだけが仕事術ではないけど,なかなか進まないと感じる課題をどう乗り越えるか迷ったときにぱらぱらと開いて参考にしている.自分にもできること,できそうなこともある.本著を「すぐ読む」ことはしない.
4.置かれた場所で咲きなさい
よく知られた本.2016年末に召天された修道士の著者.若くして学長を任されたゆえに,うつ病になるほど悩みを深めたとき,出会った信仰の新たな世界.その実経験が育んだ知恵のことばが詰まっていて,どのページを見ても心がほっと休まるし,また週の初めに教会へ行こうと思える.しかし,この本を必要とするくらいどうして私は大事な神さまの教えをしばしば忘れてしまえるのか.自戒せねば.
5.道をひらく
いつも仕事で分からない場面に遭遇したとき,自分で状況を考えて理解して先に進む.そのとき,状況を独断的独善的に把握してしまったらそれはほとんどの場合,間違い.この本は認識を整える羅針盤のような存在.年齢を重ね,悩みや課題の持ちようが深まってきたこの時,初心に還ることをこの本は勧めている.このような本がまさに長く座右に置く本であると思う.基本が大事だと覚えるのである.

コメントを残す