目の前の仕事に取り組む.それを続けていけば,生活にも余裕が出る.結局は労働とはこんな実態.やりたいことを仕事にしてようがしていまいが,目の前に仕事があるのなら,それをこなしていく.分からないことは分かる人に聞く.仕事ができたと思ったら,誰かに確認してもらう.コメントを頂いて修正し,仕事を完了とする.Do・Ask・Check・Reviseの繰り返し.これで最低限の仕事になる.
この繰り返しの中で,徐々に自分の見方や立場や職能がはっきりしてくる.自分が受け持つ仕事の範囲が定まってくる.自分がほかの同僚に比べて簡単にでき,すぐに覚えられる仕事が,ひとつやふたつ必ずある.それは職場での武器だ.それを率先してできますやりますと言っていれば,仕事は次々頼まれる.仕事を作る方法である.
私は自分の職能に満足していない.もっとこうできたら,この才覚も欲しいし,この知識も完全にしたい.誰もまだ本にも部録にもしていない新しい視点がほしいし,もっと良くする方法を研究したいと思う.けれどそう簡単ではない.自分はその職能の中で割と簡単にできることは習得している.けれども,世界の最先端まで追いつこうとしている分野は,何も知らないに等しい.ただ,そういう分野があることを知っているだけだ.
こんな中途半端な私でも仕事が毎日あることはありがたい.仕事はあるに限る.仕事に取り組むと無為に時間を浪費しないし,給与がいつのまにか振り込まれているし,仕事終わりの時間はいつも至福である.完成からはほど遠い私の技術.だが私だけではない.強い技術をいくつか持っている技術者で充分働いていける.それを超えようとするのはどこか貪欲な気がするけど,仕事をもっと充実させたい気持ちが山々なのである.

コメントを残す