組織に所属すると,組織の人間として動かねばならなくなる.それが窮屈だと昔から言われてきた.でも,組織の人間である以上,組織の内情や構造など,知らないでは済まない事情がある.私はそれらを知らないでいるように努めてきた.入職して2年間,主にウェブを通じて,組織の前例がないことを次々に起こしてきた.しかし,きょう思ったのは,私は開拓者ではなく非常識であるに過ぎないという側面だ.
構造はフラットというより上意下達で,私には同じ立場の同僚はいない.採用を募集しても応募者はおらず,敬遠されているのか,ハローワークでも希望者はいない.残業はないし,年休も取得でき,ホワイトな福利厚生が整っている.ありがたい.給与も世の平均で,年功序列.貧乏にもお金持ちにもならなくて済む.組織として恵まれているほうだと思うから,あまり声を大にして改革を叫ぶ職員はいない.
私には同僚がいない,このことが私の職務を孤立させる.ウェブ業務をひとりで任せられ,責任を取る立場ではないけど,相談できる職員がおらず,業務は上司から受けた案件を開発することが中心.ウェブを作ることが好きなので楽しいが,厳しい側面もある仕事なのだときょう知った.給与や福利厚生の面がありがたいので,我慢して耐えることにしている.もう少し楽しい職場が他にあることは常に頭の片隅にある.
私は障がい者雇用枠で入職し,同年代の男性職員が少なく,ウェブを書ける人はほぼおらず,なかなかに厳しい孤独を味わいつつ働いている.以前の職場が天国的だったこともあり,味を占めてしまった面も否めない.だが,これから圧し掛かる重い責任を伴う立場に昇進できる時が来たら,残念だがその話は断ろうと思っている.そして,それを条件として提示されたら職場を変えることも考えたい.私で良ければいいのかもしれないが,そのときはそのとき,そんな話が来ると決まったわけでなし.つまり大変な仕事に就いてしまっていたと認識したのであった.

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