今の職場は障がい者枠とはいえ有期雇用である.しかし,半ば公務員であるため,馘になることを恐れることはない.技術職だけど一般企業で要求されるほど技術の向上を目指さなくても働き続けられる.よく言われる「天下り」は,専門がニッチすぎて退職後に職が見つからない専門職の方のための慣習だし,平均年齢が高い組織は,社会に需要が少ない技能を持った業界で多くみられる.需要の少ない産業に携わる人たちは,生き残る方法を探る必要がある.
専門が社会から必要とされなくても,なくてはならない産業であるなら生き残れる.水道や空調の配管や,左官工事,清掃など,社会から消えては困る産業は沢山あり,産業としては縮小していくとしても,全国的にみて需要が細々と続くなら,高収入は望めなくても一定の仕事が途切れることなく得られる.このように,社会がどのように変わろうともなくてはならない産業を見つけることは,高校生の人生選択において重要である.
私の職域はウェブである.定年までの25年の間,ウェブ産業は需要が続く産業だと私は捉えている.数年前までウェブは社会の革新産業として花形だったが,最近は技術も定番化し,需要も固定化し,インフラの製造管理の意味合いが強い産業になってきたように思う.わざわざウェブを見る人が大幅に減っている現象は,ウェブ業界人にはどうにもできないし,今からウェブを学びたい人が増えていることは,教育産業として需要が増えている情勢が続いている.
ウェブの技術で一人前になっていれば,受託で設計までしなくても,補修や改善,プログラミングスクールの講師など,応用が利く.私はウェブ職人として生涯を閉じたい.召天するころにはウェブ産業は風前の灯火であろう.でも,どうにかして稼ぎ続けることはできると思う.多くを稼ぐことは無理だろうけど,生活に必要な最低賃金プラスアルファくらいは稼げるはず.そんな業界だから,20年後に居続ける職人も少なくなっていそう.富を徹底的に重視しない私の人生にとってはこんな人生で充分充実する.ウェブ職人で生き残る人生をこう予想している.

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