年末にメルカリで購入したスタンスミスが届いた.状態は新品同様.早速合わせてみると丁度良い.出品者に最高の評価を送信し本件はクローズとなった.私にとってこの買い物は記憶に残るだろう.なぜなら,このスタンスミスを最後に,私は物欲による買い物を15年間やめるのだ.スタンスミスが最後の買い物になる.
労働の動機付けに,ごほうびという概念がある.給与を貰って好きなものを消費することが幸せな,若い社会人特有の現象だ.なぜ若い人特有かといえば,大抵10年も働いていれば,欲しいものは大概買い揃え,幸福が増さなくなるからだ.これ以上買っても,あの若い頃のような幸福を味わうことができなくなっていく.
私も例外ではなく,給与の低かった頃は,欲しいものを買うことを我慢さえし,生活の基礎を築こうとしていたので,貰い物や贈り物は嬉しかった.しかし,社会人10年目で生活が確立し,物質的な不足が解消してしまった.これ以上買う必要がない状態までものを買ってしまった.だから,欲しいものを買うことをやめるのである.
やめてどうするかといえば,職場に返納できればそうするが,普通にできないので,教会に返そうと考えた.神に頂いたものは神に返し,カエサルのものはカエサルに.昔からそうして暮らしていた.余剰の資本が持てるのは資本家だけだったが,今や社会人の半分くらいは貯蓄が潤沢だ.私はそんなにたくさんお金を持って生きたくない.

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