きょうも300円以内で生活した.物を欲しいと思わないし,お金を増やしたいとも思わない.それよりも,仕事のレベルが高まらない問題をどう解決していくか考える方が重要なのだ.そうしたら,とある本にヒントがあった.そしてその後,今まで読んでも理解できなかった本が,自分のやりたいことに通じていると気づいたのだ.
私はなぜ働いているか.ウェブが好きだから.では,ウェブに取って代わる技術が普及したら職に困るのではないか.その本は云う,ものではなく意味を取れ,と.私はウェブが好きだからウェブの仕事をしているが,少し掘り下げると,見つけやすく理解しやすい情報設計を私は売っている.私の表現を買ってくれる人がいるので私は生活できる.
つまり,数十年後ウェブが陳腐化し廃れていった時でも,私のプロフェッショナルの宣誓「見つけやすく分かりやすい情報設計を売っている」がぶれなければ,ウェブにこだわらなくても仕事が作れる.私にとってウェブは目的ではなく手段のひとつになった.私は世の中の分かりにくく敬遠される情報設計を見つけやすく分かりやすい形に設計して回る仕事をしたいのだ.
近所にあるデザイン事務所の光景が思い出される.私はこの街に越して来たとき,その事務所みたいな場所で仕事したいと思い描いた.今は場所こそ違えど,研究所のウェブ担当として職を得ている.私は今まで分かりやすいと言われ感謝されたこともあったが,分かりにくい文を書くことを好む悪癖のおかげで,分かりやすさには一家言ある.私はどうやらこのまま怠らず研鑽に励めば,人並以上の職人として働いていけそうだ.

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