書斎のレイアウト変更を終え,一息ついていると,傍らの本棚が気になってくる.プログラミングの本が数十冊.見るたびに,最近プログラミングを勉強していないことを思い出す.それらの本を買ったときは学習意欲に満ちていた.しかし,半年以上前である.今は仕事で使わない勉強をする意欲が乏しく,別のことに時間を使った方が豊かなのではと考えがちである.
仕事で使うプログラミングの知識は,精々フロントエンドとPythonくらいだったが,Pythonを当面使わないことになったので,フロントエンドの実装ができれば仕事になる.そこでThree.jsやLaravelや機械学習を学んでも,趣味の上積みであり,物好きの域を出ない.転職の気配はなく,趣味が高じて仕事になることもない.フリーランスの道も選ばないと決めている.
仕事の現実.多くの人が仕事のために新しく勉強しない理由が何となく分かってきた.学校教育で優秀な国民なのに,社会人になると本も読まなくなる,その理由である.社会人の読書といっても,小説など文芸作品がほとんどであることも,その理由を窺える.勉強しなくて済む社会.転職や起業を恐れるあまり,新しく勉強する意義が見出せない.そんな社会である.
それは良さもあるだろう.常に能力を高めなければやっていけないような欧州の社会よりは,この日本の社会のほうが落ち着いた幸福を享受できる気もする.でも,狭い知識では物足りない良識的な人たちは,分野を跨いで読書している.少数派になってしまっても,読んでいる.真剣に生きるこの2割の人たちが,世の8割の仕事をしていると思うと,勉強したくなる.

コメントを残す