なぜ今の仕事が楽なのか.この命題は考える価値を感じる.今自分の中で一番の謎かもしれない.どうして貧富の差が生まれ,どうして資産が一定額を超えると幸福は増えなくなり,どうしてお金や雇用が社会の隅々まで行き渡らないか.そういう経済の流れが私には大きな謎に感じられる.新卒入社の採用側に視点に立った時に感じたあの当然感くらいの落鱗が期待できる.取り敢えず次の5つを考えてみたが,どれも平凡な解なので,大きな謎ではなく私の無知で,これまで考えてもみなかったことが情けない.
1.上司が有能だから
管理職が有能だと,部下は楽だ.働くのが楽しくなる.一生ついていきます,とさえ思う人物だって現れる.器は魅力である.魅力に比例して昇進している人物が組織に一人いるだけで,部下は自分が部下であることを肯定できるので,仕事を楽しめる.逆に,菲才の上司の場合,職場が煩わしくなり転職を考えるようになる.今の職場には幸い無能な上司は存在せず,少なくともお会いしたことはなく,優秀な組織なのだろうと思うだけで勤続したくなる.
2.経済的に余裕があるから
懐の余裕って人生で大事だ.多すぎてはならない,でも少なすぎてもならない.資産の大きさがなぜ余裕につながるかといえば,誤差の概念をどこまで拡大できるかが重要だからだ.100万円を株式投資している人は,千円が簡単に上下することを知っている.株価は日々上下するから.だから,千円を出し惜しみせず払えるので,少しいいものが買える.そうすると,貧乏から脱出できる.この原資が1,000万円になったらどうだろう.月給分が数日で変動する現実に誤差が大きくなり,お金への考えが大きく変わらないだろうか.払うべき時に執着せず払えるのだ.
3.自分の好きな仕事だから
得意なことや好きなことで人様の役に立てるなら,仕事として完成形であると思う.いろいろな賢人もそう考えている.私はまさに今の仕事が得意で好きで,得意で好きな人が少ない環境で,分野としても少ない業界だが需要は高い時代で,この仕事に巡り合ったことは,本当に幸運だったと思う.楽になるのは,人様を楽にし感謝されたからだと思う.だからこれからも誰か頼まれたらその人をとことん楽にして差し上げれば,私もさらに楽になれるだろうと考えている.
4.家族が心地よいから
いろいろな安定のなかで,なかなか達しにくいのが家族だろうと思う.家庭がうまくいっていれば,安全基地で休むことも安らぐことも眠ることも,ほぼ無限に保証されるので,仕事とのバランスを取りやすい.どれほど仕事が健全であっても,興奮や苛立ちや失念や自責など,さまざまな感情を伴うので,休まないと続くものも続かない.疲れ果ててしまう.家庭で休まれば,いくら大変な日であっても,疲れを知らずに週末まで終えられるのである.
5.神さまが導いてくださるから
こうした幸運なる状況は,自分で選んだからでも勝ち得てきたからでも才能でもなくて,神さまに祈り求めた結果,その呼応である.そうとしか考えられない.そう考えているだけで,背負うものがなくなる.それでいいのだ.イエスが十字架で背負って贖ったのだ,私はすべてを神さまに明け渡していいのだ.これから自分がどうしていこうとかあまり考えなくても,神さまが適時適切なヒントを与えてくれて,ますます人生が楽しくなる.そう私は確信している.

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